となりのトトロ - レビューと感想

となりのトトロ

  • 作品名 : となりのトトロ
  • 公開年 : 1988年
  • 監督 : 宮崎駿

物語全体

全体的に内容が薄く、まとめてしまえば「田舎に引越しして、森の中でトトロと出会い、猫のバスに乗ってメイを発見し、それを拾ってお母さんの病院まで行った。」だけのお話だと言えると思います。

見所と言うのが見当たらず、何でも無い話なら何でも無い話の良さがあれば良いのですが...それも感じられませんでした。

あやちゃんは「となりのトトロ」を「子供の夢にも出てこない、大人が懐かしがることもない」話だと言っていました。(そして、それならスペースオペラを見ていた方が増しだと...姫には良く分からない事を言っていました。)確かに「となりのトトロ」は子供の夢としては魅力が薄いように思えます。また、姫はまだ子供なので分かりませんが、恐らく、大人が子供の頃を思い出すほどのものかと言うと...そうでは無いのでは無いかと思います。子供時代ならではであろう「良さ」を表現し切れていない(作り手側が捉え切れていない)ように見えますので。

キャラクター

物語内には...トトロ、猫のバス、まっくろくろすけ...と言った人間とは違う変わったキャラクターが出て来ます。姫にはよく分かりませんが、この「となりのトトロ」はもしかすると内容では無くキャラクターで勝負しようとした映画だったのかも知れません。(しかし、そのキャラクターも魅力的に感じたものはなく、キャラクターで勝負しようとしている訳では無いようにも思えます。)

張りの無い声

お父さん、おばあちゃん、カンタ...そう言った人達の声が素人では無いかと疑いたくなるような声に聞こえました。それらは耳触りが余り良いようには感じられず、ところどころでは台詞が聞き取り難くなる事もありました。特に、張りの無い浮いたような声は耳にする度に気になってしまい、そのせいで内容に集中出来なくなる事がしばしばありました。

プロがお金を取ってお客に見せるために作った作品ですので素人が声を当てていると言う事は考え難く、恐らく、姫の聞き取り違いから素人が声を当てているように聞こえてしまうだけなのだとは思うのですが...せめて声が物語を見るための邪魔になるような事は避けて欲しかったです。もう少し適切な人はいなかったのかと...。

素人のような声を敢えて使っているのだとすると、作品の品質を落としてまでそうするのですから、そこにはそうしなければならない余程の事情であったり、何らかの意図であったりと言ったものがあるのだと思います。しかし、そうだとしても姫には素人のような声を使う事の良さは全く分かりませんでしたし、これに就いては負の要因となっている部分しか見えませんでした。本当は何か良い事があるのでしょうけれど、姫の物事を捉える能力が低いばかりに...残念な事です。

おばあちゃんくらい独特さがあればそれは「味」と呼んで済ますものなのかも知れませんが、そうだとしても姫はそのようなものよりは、やはり、アニメらしい声の方が良いのでは無いかと思います。単なる「慣れ」なのかも知れませんが。

音楽

作品内では見終わった後も耳に残っている曲がいくつかありました。

音楽の使い方では姫が余り好んでいない音楽の使われ方が見られました(メイがトトロの子供を見付けて後を追って行く場面)。個人的に苦手としているので無いに越した事は無いのですが...。

「となりのトトロ」の評価 : 12点

物語の内容は個人的には態々作らなくても良いように感じるものであり、面白さ、楽しさ、見ている人を夢中にさせる魅力などと言ったものは感じられず、作品から何かを得た、感じた、気が付かされたと言う事も特にありませんでした。薄い内容に加え、ドキドキもハラハラもワクワクも、感動も面白さも(もしかすると狙っていたのかも知れないと思われる)懐かしさも感じられず、退屈な時間が多かったのは残念です。(勿論、単に姫の感覚が鈍くて感じ取る事が出来なかったと言う事は十分に考えられます。そのため、その鈍い感覚を持った人間が判断する側に回って行った評価だと思って下さい。)

姫にはどこをどう楽しめば良いのかが全く分からなかったのですが、取り敢えず、「作りたいものをただ作る」、「見せたいものをただ見せる」だけでは無く、見ている人を物語の中に引き込む工夫はして欲しかったです。

全体的にゆったりとしていて姫の好みに合っていないと言う事もあり(客観的な評価を行おうとするものでは無く個人的な評価でしか無いので、自分が何をどう感じたかと言う事と共に、当然、好き嫌いにも左右されます)、評価点は12点としました。

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