火垂るの墓 - レビューと感想

火垂るの墓

  • 作品名 : 火垂るの墓
  • 公開年 : 1988年
  • 監督 : 高畑勲

レビュー/感想

最初にお化けが出て来たためオカルト話かと思ったのですが、お化けが登場する以外は至って普通のお話になっていました。現実の枠を出ない物語を中心としている中に「お化け」を出してしまうと話に幾分かの紛れが生じますし、「お化け」はなくても良かったのでは無いかと思いました。

印象的だったところ、目立って感覚的に残ったところと言うのは特に無く、最初から最後まで興味が持てないまま終わってしまったため、内容に就いては感想と言うものはありませんでした。

全体的に見所と言えるようなものが無く、流れる話を傍観しているだけで、幾度か強い眠気に襲われる事がありました。(視聴時の体調や睡眠時間に問題は無かったのですが...。)視聴中は実際よりも時間が長く感じられ、途中からは「早く終わらないかな...。」と思うばかりになっていました。

スイカは皮まで食べて欲しいところです。

声に就いては素人のような声ばかりであり、台詞の聞き取り難いところがありました。特に節子の声は全般的に聞き取り難く、中には聞き逃してしまった台詞もありました。お金を取ってお客に見せる事を前提にして作った作品なのだとするなら、見る人の事をきちんと考えて作って欲しいと思いました。

「となりのトトロ」との同時上映

「火垂るの墓」は当時は「となりのトトロ」と同時上映だったと言う事で、姫も「となりのトトロ」を見た直ぐ後にこの作品を視聴しました。

公開当時の人達が何を期待して劇場へと足を運んだのかは姫には分かりませんが、「となりのトトロ」と「火垂るの墓」を見て劇場を去った後はどのような気持ちだったのだろうと、ついつい、余計な事を考えてしまいます。劇場に入る前に求めていたものを得て劇場を後にする事が出来たのでしょうか...。劇場に持ち込んだ「受け手側の勝手な期待」は叶えられたのでしょうか...。

「火垂るの墓」の評価 : 2点

友人達の話を聞くと物語に就いては「可愛そう」だと言っておけば取り敢えずは良いようです。姫は何故かそうは感じませんでしたが...。恐らく、「可愛そう」と言うのは(姫にとっては)違うのだと思います。

この作品によって教えられた事があるとするなら、それは姫の(作品を見ようとする)意志の弱さであったと思います。分かってはいましたが、この作品によって再確認する事が出来ました。

物語は魅力的とは言えず、見せ場も無く、感覚的にも何も残らない作品だったと思います。声に関しては台詞の聞き取り難い部分があり、見ている人への配慮の足りさを感じました。

「作りたいものを作る。」、「見せたいものを見せる。」だけで作品を作っているように感じられるところが多分にあり、これが、芸術家が芸術として作った作品だと言うのであれば話は別ですが、お金と交換に娯楽を売る「娯楽を売る者」として作った作品、娯楽を求めて映画館へとやって来る人間を相手にして作った作品だとするのであれば、「作りたいものを作る。」、「見せたいものを見せる。」ではいけないのでは無いかと思いました。

「火垂るの墓」は、同時上映だった「となりのトトロ」もそうですが、恐らく、こう言った作品を上手に見る事が出来る人にとっては良い作品なのだと思います。ですが、姫にはそう言った才能も無く、上手に見る事が出来ませんでした。姫の見方が悪いせいなのですが、ここで行っているのは主観的な評価であり、そのため評価は低いものとなってしまいました。

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