千と千尋の神隠し - レビューと感想

千と千尋の神隠し

  • 作品名 : 千と千尋の神隠し
  • 公開年 : 2001年
  • 監督 : 宮崎駿

物語全体

「千と千尋の神隠し」はここ最近のジブリ作品では珍しく最後まで関心や期待を持って見る事が出来ました。

ただ、関心や期待を持つ事の出来る魅力がある一方で、関心以上のものが得られたり期待(「面白くなりそう」と言う姫の勝手な期待)が叶えられたりする事はなく、物語に惹かれて見続けているところがありながらもそこに面白さや楽しさを感じるような事はありませんでした。見ている人間に関心や期待を持たせる事に成功したのですから、後はそれに応えて欲しかったです。山場はそれなりにありましたが、見終わった後には物足りなさと惜しさとが残りました。

(この辺りは...面白そうな予感を持たせながらそれに応えないでおき、「見ていれば何か面白いものが待っていそう。」と思わせ続ける事によって最後まで関心を失わせないようにする...手法だったのかも知れません...。しかし、その場合、どこかで(物語が終わるまでには)期待に応えなければいけないと思うのですが、それが無かったのは残念です。どの場面も「何か面白い事がありそう。」までで止まっていました。)

面白かったかどうか、楽しめたかどうかとは別にして、退屈を感じる時間は少なかったです。最後まで「この後、どうなるのだろう?」と思いながら見る事が出来たためだと思います。

全体を通して...関心が持て、期待も出来、退屈では無かったものの、夢中になれるものも面白いと感じるものも無かった作品...だったと言えます。

再生時間

再生時間は2時間を越えていましたが、視聴中は時間の長さが気になりませんでした。(面白さは感じられないながらも)最後まで関心を失わずに見る事が出来たためだと思います。時間の経過が早く感じられましたし、もう少し長くなっていても平気だったと思います。視聴後には「千尋をもう少し見ていたかった。」と言う名残惜しさがありました。

長くなっても不都合が無いのであれば、個人的には「働く千尋の姿」をもう少し多く見せて欲しかったです。「働かせて下さい。」の言葉から入った展開の割にはその先での働く場面が少ないように感じましたので。(全体に亘って感じていた面白味の欠如や物足りなさがそれによって解消される...と言う訳では無いのですが、単にもう少し見たかったと言う事で。)

カオナシ

カオナシの話自体は(千尋と言う人物を表現するためには有益な話ではあっても)物語の本筋からは逸れている話であると言え、物語上ではあってもなくても構わない話のように思えましたが、あの話があった事によって物語が随分と助けられているように感じました。カオナシの話が無かったら更に盛り上がりに欠けた作品になっていたと思います。

音楽

音楽は場面に対して過剰に働いているように感じられる箇所が多く、視聴中に鬱陶しく感じる事が度々ありました。また、効果音と一体になっているかのような音の使い方が幾つか見られ、これにより音楽の中に異物が混入したかのような奇妙さを感じる事もありました。結局、これらが耳に付いてしまい、物語に集中出来なくなる場面も...。音楽は映像作品の大切な構成要素の一つではあると思いますが、場面の視聴の邪魔をしてはいけないように思います。適切な使われ方が為されていないように感じました。

他に。これも印象でしか無いのですが、無音でも構わないような場面(姫がそう感じただけですが)でも音楽が付けられている事があり、こちらも場面によってはそれが気になってしまい物語の内容から意識が逸れてしまう事が何度かありました。無音に耐えられない人間を対象にして作ったのでしょうか...。それとも、(音楽が出過ぎている箇所が多い事も合わせて考えると、)余程、音楽を聞かせたかったのでしょうか...。どちらにしても「静けさ」の良さを捨ててしまっているように思え、残念でした。

個人的な感覚ですが、音楽の使い方に関しては余り上手では無いように感じました。一言で言えば全体を通して音楽が付き過ぎているように思います。もっと有益な(少なくとも視聴の邪魔にならない)音楽の使い方が出来なかったものかと思ってしまいます...。

キャラクターの声

ここ暫くのジブリ作品と同様に声に張りが無かったり、言葉の切れが悪かったり、抑揚の付け方や喋りのリズムがそれらしく無かったりするキャラクターが全体に亘って見られましたが、それらの中では(悪いなりにも)増しな方であったように思います。

千尋に関しては喋りの拙さが幼さにも感じられる事があり、言葉の切れの悪さが他の者がそうである時よりは気になりませんでした。素人のような声には最後まで奇妙さを感じさせられましたが、千尋の場合はその一方でそれが魅力として働いているところもあるのかも知れません。...しかし、そうは言っても拙さが視聴の妨げになっていたのは確かであり、もう少し上手に出来なかったものか(それによって不出来さが生み出していると思われる魅力の部分は失われる事になるかも知れませんが...)、他に適切に熟せる人はいなかったものか...などと思ってしまいます...。

ハクに関しては発音の切れの悪さが酷く、台詞を聞く度に何とも言えない気持ち悪さを感じました。そのため、ハクの喋る場面では内容に集中出来なくなる事が多かったです。発音の切れの悪さでは千尋も似たようなものですが、ハクの場合は拙さが魅力としては働いていないのだと思います。単なる短所でしか無いように感じました。

全体を通して最も拙さが気になったのもこのハクでした。拙さの度合いもそうですが、ハクは台詞が少ない方では無く、大事な場面での台詞があった事もあり、特に目に付いたのだと思います。(これで台詞が少なく、大事な場面での台詞も無かったのなら、(酷い拙さは変わらずとも)それほど悪い印象にはならなかったのかも知れませんが...。)そして、脇役ならまだしも、こう言う重要なキャラクターに拙い人間を当ててはいけない...と改めて思いました。ここ暫くのジブリはどう言った基準で声を当てる人を選んでいるのか...疑問に思ってしまいます...。

キャラクターの顔

一部のキャラクターでは鼻の下の異様な長さが気になりました。特に横顔になった際には...。

赤く染まった映像

「千と千尋の神隠し」では最初から最後まで画面(映像)が赤く染まった状態での視聴となりました。これは再生した環境のせいかと言うとそうでは無いようです。

[ 再生環境 ]

姫はこの作品の視聴はPCで行いました。環境は以下のようになっています。

  • 作業用蛍光ライト : FL20S・D-EDL-D65
  • PCディスプレイ : ナナオ FlexScan L997

以下、環境に就いての説明を少し...。

「FL20S・D-EDL-D65」は演色AAA昼光色(6500K)Ra98の色評価用の蛍光ランプです。作業台(PCを扱ったり書き物を行ったりする場)に取り付けてあります。大抵の作業は(デジタルもアナログも)この光りの下で行っています。(修正前の記事では記述前に蛍光管にある表記の確認を怠った事から、同じく作業台に取り付けてある別の蛍光ランプ(「FL20S・N-EDL・NU(※)」)との名称の取り違えがありました。それに伴い、性能に関する記述もそちらの蛍光ランプのものになっていました。)

(※「FL20S・N-EDL・NU」は演色AAA昼白色(5000K)Ra99の色評価用の蛍光ランプです。こちらも作業台に取り付けてあります。デジカメで小物などの写真を撮る時に使っています。)

「FlexScan L997」は姫のPC環境での常用ディスプレイです。sRGBの正確な表示を期待出来るディスプレイであり、これをsRGBの推奨環境(色温度6500K、輝度80cd/m2)で使用しています。Webページのデザインなどを行う際にはこの「L997」の表示色を頼りに色を扱ってます。(定期的にキャリブレーションを行っていますが、購入した時点(工場出荷時の状態)で既にsRGBがほぼ正確に表示されていましたし(大きな値の変更は推奨環境に合わせるために輝度を落としたくらいです)、現在も経年劣化に対しての微調整程度で済んでいます。sRGBディスプレイとしては非常に優秀だと言って良いと思います。)

しかし、これはsRGBでの作業を前提に整えた環境であって、sRGBの正確な表示は期待出来ても、それ以外の色域を扱う場合においては正確な表示を期待出来るものではありません。

即ち、姫が「千と千尋の神隠し」を見た環境はDVDの視聴を一切考えていない環境であり、DVDの視聴に適しているとは言えない環境(sRGB以外の色域を扱う場合に本来表示されるべき色とは違う色が表示されてしまう環境)だったと言えます。

(何故、そのような環境で視聴したかと言うと、それはPC上で視聴した方が記事を作る作業が行いやすいためです。また、「L997」のパネルは眺めていても目が疲れず、長時間の作業に向いていると言う事もあり、レビュー目的で作品を見る場合、記録媒体がDVDの時(※※)は、大抵、PCを使って再生しています。)

(※※記録媒体がDVDでは無くBlu-rayの時は部屋にあるBlu-rayプレイヤーと薄型のテレビを使って再生しています。こちらはPC環境でのBlu-rayの再生が行えないためです。今回の「千と千尋の神隠し」はあやちゃんから渡された記録媒体がDVDだったためPC環境での再生となりました。)

では、「千と千尋の神隠し」の映像が赤く染まって見えたのは再生環境によるものかと言うと...そうでは無いようです。

[ 赤く染まった映像 ]

姫はこれまでにも上記の環境を使って他のDVDを再生して来ました。しかし、本来的な色が表示されない環境であっても、この「千と千尋の神隠し」で見られた「映像全体が赤く染まる」ような事は一度もありませんでした。(今のところ)「千と千尋の神隠し」だけが赤く染まって見えたと言う事になります。しかも、その「赤み」は2時間以上に亘って画面を眺めていても意識から抜ける(※)事が全く無いほどのものでした。

(※白色を基準にして言えば、通常はsRGB推奨環境に調整したディスプレイで表示される白色は「少し黄色みのある白色(色温度6500Kの下での白色)」なのですが、これは見ていると目が慣れて直ぐに「これは白色」だと自然に認識出来るようになります。人間の目はそのように出来ているようです。ですが、この「千と千尋の神隠し」の映像では、(6500Kの環境光の下で)画面を2時間も見続けていたのにも拘らず、「赤みを帯びた白色」は最後まで「赤みが気になる白色」のままであり、映像の中に出て来る白色だと思われる部分を「白色」だと自然に認識出来るようにはなりませんでした。「千と千尋の神隠し」に見られる幾ら見ていても慣れが起こらない(意識から消失しない)ほどの「赤み」、目の適応能力の範囲を超えた「赤み」は、少なくとも姫が通常としている環境下では、「異常」だと言って構わないのでは無いかと思います。)

同じ環境で再生して(どのDVDも本来的な色で表示されていないにしても、その中で)この作品だけがここまで赤く染まって見えるとなると流石に(DVDの再生に向いていない姫の)環境よりもDVDに収められている映像の方が「異常」だと言ってよいのでは無いかと思います...。

[ 特典ディスクとの比較 ]

因みに、パッケージ同梱の「特典ディスク」を見ましたが、こちらは「赤み」の無い映像になっていました。なぜ、「本編ディスク」でこれが出来なかったのかが不思議です。商品を作った側の人間にとっては赤く染まった状態の方が「正常」なのでしょうか...。

[ 他の環境での実験 ]

「千と千尋の神隠し」をsRGB推奨環境で視聴した後、幾つかの実験を行いました。(とは言っても手元で簡単に用意出来る環境のみでの実験であり、結果も個人的な感覚を判断基準としたものに過ぎませんが...。)

一つ目。ディスプレイ(L997)の設定はそのまま(色温度6500K)で環境光を消して(暗闇の中で)視聴。この環境では、画面により集中出来たせいか、暫くすると多少の「慣れ」が起こり、6500Kの環境光があった時よりは僅かながら「赤み」が気にならなくなりました。しかし、それでも画面の中の「赤み」はまだ多く、特に白色に意識を向けるとかなりの「赤み」が残っているように感じられました。6500Kの環境光の中での視聴時(幾ら見ていても赤みが意識から抜けない)と比べると僅かに改善が見られはしたものの、やはり、この環境でも「赤く染まって見える」事には変わり無いと言えます。この映像作品は色温度6500Kの下で見るようには出来ていないと言えそうです。

二つ目。次にディスプレイの色温度を9300Kに変え、環境光の無い状態(9300Kの環境光が手元に無いため)で視聴(※)。ディスプレイの色温度が6500Kの時と比べると「赤み」は減少したように感じられました。しかし、度合いは減ったものの(慣れが起こった後でも)「赤み」が気になる状況は変わらず、これでも(ここまで色温度を上げても)まだ「赤い」と言えそうです。また、この9300Kの設定での「千と千尋の神隠し」の映像は、「赤み」が残っているだけでなく、6500Kの設定よりも全体的に色が奇妙に(狂っているように)感じられました。(何が正しい色なのかは姫には分かりませんし、何となくとしか言えないのですが...。)

三つ目。今度は(ディスプレイでは無く)姫の部屋にある普通の液晶テレビを使い、室内照明がある状態で視聴。普通の液晶テレビでも、やはり、画面全体が赤く染まって見えました...。暫くすると慣れが起こるものの、それも僅かであり、慣れが起こった後も「赤み」が「明らかに残っている」と感じました。

更に、同じ液晶テレビを使って今度は室内照明を消して視聴。こちらでは、視聴開始直後は赤く染まって見えましたが、暫くすると「赤くはあるが、見て見ぬ振りも可能な程度の赤さ」に収まりました。しかし、それでも赤色の薄い膜が全体を被っているような感じは常にあり、「赤み」が意識から消えると言う事はありませんでした。また、この視聴環境では全体的に(画面を覆う「赤み」とはまた別の)「色の奇妙さ(感覚的な気持ち悪さ)」が感じられました。(実際には何が正しい色なのかは姫には分かりませんが...「奇妙」だと感じたのは確かです。)これは、最初は(「赤み」の方が気になっていたため)それほど気にはならなかったのですが、慣れが進んで行くと共に(「赤み」が弱くなって行くと共に)より強く感じるようになって行きました。慣れが起こる前は「赤み」が気になり、慣れが起こった後は(残った「赤み」に加えて)「赤み」の減少によって浮き彫りになった「色の奇妙さ」が気になる...この環境では最初から最後まで色に対する違和感が消える事はありあせんでした..。

(姫の部屋にあるテレビ(使用した液晶テレビ)は画面が大きくて映像が鮮やかに映るだけの、色の再現性が全く考えられていない(色の再現性が期待出来ない)テレビであるため、何を見たとしても本来表示されるべき色では表示されないのですが、それでも(本来的な色で表示されないにしても)他の作品ではこれまでにこのような奇妙さを感じる事はありませんでした。色の奇妙さを生んでいるのはテレビでは無く、「千と千尋の神隠し」の映像そのものであるように思います。映像の色が最初から(姫が妥当と感じる範囲を超えて)崩れているのでは無いかと...。)

結局、姫が手元で用意出来る視聴環境では納得の行く色は得られませんでした。「千と千尋の神隠し」を違和感無く見るためには「それだけ」のために色々と整えなければならないのかも知れません。推奨環境が書いてあれば良いのですが...「自分で探して見つけるように」と言う事なのでしょうか...。(書いてあったとしても特別に用意する必要がありそうですし...一つの作品のためにそこまではしたくは無いのですが...。)一体、誰に向けて作られた商品なのか...と疑問に思ってしまいます...。

実験の結果。「本編ディスク」に関しては映像の素人である姫には適切な視聴環境を簡単には用意出来ない商品、扱いに困る商品だと言えそうです。消費者の事を考えているならば素人が困惑しないような商品に仕上げて欲しいものだと思いました。

[ ケースやディスク上面の絵との比較 ]

ケース、「本編ディスク」の上面、「特典ディスク」の上面に描かれている絵はどれも「赤み」の無い絵になっていますが、もし、「本編ディスク」の赤く染まった映像が「正常」だと言うのであれば、せめて、ケースの絵と「本編ディスク」の上面の絵も本編の映像と同じように赤く染めた状態にしておくべきだったのでは無いかと思います。

「本編ディスク」の映像のみが赤く染まっていて、それ以外(ケースの絵、「本編ディスク」の上面の絵、「特典ディスク」の上面の絵、「特典ディスク」の映像)には「赤み」は見られない...と言うのでは、姫のような初心者は直ぐに「本編ディスク」の映像の方が「異常」なのだと思ってしまいますし、人によっては「異常」では済まずに「騙された」と感じる事があるかも知れませんので。(姫としては「騙された」まで行くと言い過ぎのように思いますが、赤く染まっていないケースから赤く染まっていない絵の描かれた「本編ディスク」を取り出して再生し、そこで映し出された画面だけが赤く染まっているのですから...そう思う人がいたとしても可笑しく無いように思います。)

そのような誤解(「異常だ」、「騙された」)を避けるためにも、赤くすべきところは予め赤くしておかなければならなかったように思います。赤く染まった絵が描かれているケースから赤く染まった絵が描かれているディスクを取り出して再生し、そこで赤く染まった映像が映し出されたとしても、それならば「赤く染まっていて当然。」、「そう言う商品なのだろう。」と自分を納得させる事がまだ出来ますし、少なくとも「ケースやディスクの絵と違う。騙された。」と思うような事は無いと思いますので。

(これが、「本編ディスク」の赤い映像では無く、ケースの絵やディスク上面の絵の色の方が「正常」だと言うのであれば、「本編ディスク」再生時にケースの絵やディスク上面の絵に近い色を期待出来る推奨環境をきちんと記しておくべきだったと思います。(かと言って、それが姫のような初心者が簡単に用意出来ないようなものなら記してあったところで困ってしまうだけなのですが...。その場合は「一般の人が簡単に用意出来る環境」が推奨環境となるように商品の仕様を変えた上で記しておくべきだと言えます。広く一般に向けて作った商品であるならば。)もしくは、「本編ディスク」の映像をケースの絵やディスク上面の絵に合わせて調整しておくと言うのもあります...と言うより、これが最も良いように思います。)

本編ディスク タイトル表示画面 : 千と千尋の神隠し

【本編ディスク】

画面全体が「赤み」を帯びているように見える。(これは環境によるところがあるので他者の環境でそう見えているとは限らないが、少なくともこちらの環境では「赤み」が全体を覆っている。)本来、タイトルの文字の色は白く映るべきものだったのでは無いかと思われる。

[画像引用元 : 千と千尋の神隠し © 2001 二馬力・TGNDDTM]

特典ディスク 比較用画像 A : 千と千尋の神隠し

【特典ディスク】

特典ディスクの映像。

[画像引用元 : 千と千尋の神隠し © 2001 二馬力・TGNDDTM]

本編ディスク 比較用画像 A : 千と千尋の神隠し

【本編ディスク】

本編ディスクでの同一場面の映像。比較すると全体が「赤み」を帯びた状態になっている。

[画像引用元 : 千と千尋の神隠し © 2001 二馬力・TGNDDTM]

特典ディスク 比較用画像 B : 千と千尋の神隠し

【特典ディスク】

特典ディスクの映像。雲が白色に見える。

[画像引用元 : 千と千尋の神隠し © 2001 二馬力・TGNDDTM]

本編ディスク 比較用画像 B : 千と千尋の神隠し

【本編ディスク】

本編ディスクでの同一場面の映像。比較すると全体が「赤み」を帯びた状態になっている。雲の色は白色とは言えない。

[画像引用元 : 千と千尋の神隠し © 2001 二馬力・TGNDDTM]

特典ディスク 比較用画像 C : 千と千尋の神隠し

【特典ディスク】

特典ディスク内での「スタジオジブリ作品」画面。

[画像引用元 : 千と千尋の神隠し © 2001 二馬力・TGNDDTM]

本編ディスク 比較用画像 C : 千と千尋の神隠し

【本編ディスク】

本編ディスク内での「スタジオジブリ作品」画面。文字が白色では無く、青色も変色して見える。

[画像引用元 : 千と千尋の神隠し © 2001 二馬力・TGNDDTM]

商品ケース 表面 : 千と千尋の神隠し

【ケース 表面】

今回の視聴で使用したパッケージのケース。表面。このケースからディスクを取り出して視聴するからにはケースにあるような色を本編映像に期待するのは当然なのだが、それを再現するのは、少なくともこちらの手持ちの環境では、困難であった。商品としては利用者が期待した色(生産者側が利用者に期待させた色)とそう違わない色(違和感の無い色)を素人でも手軽に再生出来るようにしておかなければならないのでは無いかと思うのだが...。そうしないのであれば、せめてケースや(以下にある)ディスク表面の絵にも(実際に映像が赤く染まっている「本編ディスク」だけでも)赤色を被せておいて欲しいところである。それならば、本編ディスクの赤い映像を見た際に起こった騙された感も少なく済んだだろうし、この商品では赤い状態が「普通」であり「正しい」のだろうと自分に言い聞かせる事もまだ出来た事だろう...。色々と諦め易くしておいて欲しいものである...。

商品ケース 裏面 : 千と千尋の神隠し

【ケース 裏面】

今回の視聴で使用したパッケージのケース。裏面。こちらも「赤み」は感じられない。

本編ディスク/特典ディスク 表面 : 千と千尋の神隠し

【本編ディスク/特典ディスク 表面】

どちらのディスクも表面の絵には「赤み」は確認出来ない。しかし、同一の環境で再生した場合の映像に差がある事(「本編ディスク」の映像の方が「赤み」を帯びている事)を考えると、再生される映像の差に合わせてディスクの表面の絵にも差を持たせておく(即ち、「本編ディスク」の方の表面の絵を赤くしておく)くらいの工夫があっても良かったのでは無いだろうか...。(或いは、「特典ディスク」の映像も赤く染めた上でケースの絵と両ディスクの表面の絵とを赤く染めた方が更に紛れを少なく済ませられるか...何にしても)利用者を困惑させない(利用者が「本編ディスク」の映像を見た際に赤くて当然なのだと直ぐに気が付ける)工夫が為されていない辺りは利用者に対する配慮の不足が感じられる。

「千と千尋の神隠し」の評価 : 21点(但し、商品としての評価は1点)

最後まで関心と期待を持って見る事が出来ましたし、2時間を過ぎる時間が気にならず、退屈な時間も少なかったです。終わってみれば時間の経過が早く感じられました。だた、作品として面白かったか、満足感があったかと言うとそうではありませんでした。

特に残念に感じたのは、見ている人間を引き込む力がある一方で、引き込んだ後の人間を楽しませる力が大きく不足していた事です。多くの場面で物語の続き、先の展開が気になり、「次はどうなるのだろう。」と思いながら見続ける事が出来ましたが、その先にあるのはこれと言って面白いとは感じられない場面ばかりでした。

「千と千尋の神隠し」の評価は21点です(※)。姫の中では「面白そうな作品」以上にはなりませんでした。関心や期待を持てる事、長くても平気な事、退屈では無い事が面白い事、満足の行く事とは違うと言う事を改めて感じさせられた作品だったと思います。

(※画面を覆う「赤み」に関しては評価要素には加えていません。「作品」としての評価が21点と言う事になります。因みに、作品としての評価とは別に「DVD(商品)としての評価」を行うとするなら評価点は「1点」になります。画面を覆う「赤み」を評価要素に加えたDVD(商品)の評価です。この「赤み」はDVDを最初に再生した際にはディスプレイかどこかに異常が出たのかと思ってしまうほどのものでした。購入者に不安を与える商品であり、商品としては最低の出来だと言って良いのでは無いかと思います。少なくとも姫が今までに手にしたDVD(商品)の中では最低だと言える商品です。)

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